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掲載日:2012/4/22

んなもんさっさと出しちまえ!

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今回は、「やっちゃった」 後のお話です。
とは言っても、「処置はこれこれこうしろ」 については、出来るだけ触れない方向で書かせて頂きます (わたし、お医者さんでもなければ薬剤師さんでもないですから^^;)。

さて、『ウィルス性の下痢』 と言えば、代表的なのがノロウィルスだと思います。
似たようなウィルスで、さらにたちの悪い 『ロタウィルス』 だとか、親戚の『サポウィルス』 だとか、鼻喉だけじゃなくって胃腸炎も起こしてくれる 『アデノウィルス』 (風邪ウィルスですね〜) なんかがいます。

それぞれ細かい違いは置いておいて、例によって 「プロセスとしては、まぁこんなもん」 な感じで書いていきます。
上の図は、小腸の中の簡略図です。
たくさんある突起は絨毛(じゅうもう)と呼ばれ、養分や水分を吸収するところです。
外側の層が水分や養分を吸収して、内側の層に引き渡すと思ってください。

ノロウィルスなんかが感染するのは、外側の方です。

感染してしまうと、どうなるかと言うと…。
こんな有様になります。

水分や養分を吸収する層が破壊されてしまうので、水分を吸収できなくなります。
吸収できなかった水分が何処に行くかといえば、小腸の中を素通りして行きます。
全部が全部素通りするわけではないですが(※)、正常時に比べてはるかに多い量が素通りするわけで…これが下痢です。

今回はノロウィルスのケースを例に挙げていますが、「水分を吸収する層が破壊されてしまった結果、水分を吸収しきれなくなって下痢になる」 という点は、ノロウィルスだろうがロタウィルスだろうがO-157だろうが一緒なわけです。
※ とはいえ、脱水症状を起こしてしまう程に劇症化するケースもあります。
  こういう場合は、より体液に近い組成のスポーツドリンクなんかを飲む方がいいですね。
  (つ〜か、そんな有様になっちゃったら、大人しく病院に行って下さい^^;)
※水分以外にも、脂肪分なんかで下痢になっちゃったりする場合もあります。
 「焼肉しこたま食べたら、次の日に…」なんて話は、わりとよく聞くのではないでしょうか?
 本質的に「吸収しきれないものが素通りして行った」という点では同じなのですが、ウィルスとは全然関係ないので割愛させてもらいました^^;
さて、上の図を見れば判ると思いますが…
下痢の中には、ウィルスやら、破壊されて剥離した細胞片やらがいっぱいです。
ウィルスが有害なのはもちろんですが、破壊された細胞はネクローシス(中身ぶちまけて死ぬ事)しちゃってるので、こっちも有害です。 細胞内に持っている消化液等をぶちまけちゃてるからです。

ていうか…
こんなもん、体の中に持ってても、百害あって一利なしです!
「下手に下痢止めを使うのは、かえって良くない」 といわれるのは、このせいです。
下痢は止まりますが、有害物質を体の中に保持し続けちゃう事になりますからね^^;

下痢だけでなく、鼻水だろうが痰だろうが吐瀉物だろうが基本的に一緒で、ウィルスやら破壊された細胞片やらがいっぱいなわけです。 んなもん、さっさと体の外に出しちゃうのが一番です。

蛇足ですが、下痢なんかになっちゃった時は、トイレに行った後にも注意しましょう。
ウィルスなんかが手についちゃってる場合がありますから、

「石鹸なんかを使って(※)」「しっかり」手を洗いましょう!

「それがまた口から入って…」 なんて事になったら、目も当てられないですしね(汗;
※ 細菌性の場合は細菌を破壊できますし、エンベロープのないウィルスの場合でも、
  汚れを浮かせて流れ落ちやすくできます。
  ウィルスのタイプと予防 なんかにも書いてますけどねw
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