マムシグサとその仲間
サトイモ科テンナンショウ属

マムシグサ

マムシグサ

撮影地 :城山(東京都八王子市)
撮影日 :1998年5月31日
『マムシグサ』 と聞くと、何を連想するでしょうか?
とりあえず、気持ちのいい見た目ではなさそうですね。 毒草を連想される方もいらっしゃるかもしれません。

左の写真が、そのマムシグサです。名前の由来はいくつかあるそうで、

 ・花の様子が、マムシが鎌首をもたげている様に似ている
 ・茎の模様が、マムシの模様に似ている

だそうです。
この写真ではちょっとわからないと思いますが、確かに茎の模様はマムシに似ています。


また、実際に有毒植物ですので、毒性について少し調べてみました。
サポニンとシュウ酸カルシウムですか。 まずはシュウ酸カルシウムの方から。 ええと、なになに…。
日本の法令では、毒物及び劇物取締法により劇物に指定される。
わずかな量を摂取しただけでも、口と喉にひどい灼熱感を持って腫れ、窒息をもたらす
多量に摂取すると深刻な消化器障害と呼吸困難を引き起こし、量によっては昏睡や死亡に至る。深刻な中毒からでも回復することはあるが、不可逆的な肝臓と腎臓障害が残る場合がある。
・・・・・・・・。 ええと、サポニンの方は…。
界面活性作用があるため細胞膜を破壊する性質があり、血液に入った場合には赤血球を破壊(溶血作用)する
あ、でも、こっちは界面活性作用を利用して、去痰剤に利用されたりするみたいですね。
以前は食用にした地域もあったそうですが、さすがに食べ方を調べる気にもなりません (^^;
と言うか、絶対たべちゃダメです!!!!!
それはそれとして、もしかしたら、「あれ? これ園芸屋さんで見たことあるよ?」 と思った方もいらっしゃるかもしれません。
おそらくそれは『ユキモチソウ』 だと思います。 花の真ん中の部分が丸っこくて白いので、『雪餅』ですね♪

マムシグサの仲間は山地では結構普通にみられるようで(断定形は使いません。 だって、日本中の山地を確認して歩いた訳じゃないですし(^^;)、こんなのもあります。

ウラシマソウ

ウラシマソウ

撮影地 :岩戸海岸(鳥取砂丘の近く)
撮影日 :1996年5月
花の中から、長い付属物がにょ〜ん! と出ているのが判るでしょうか?(写真の右側の方です) これを釣り糸にみたてて浦島… 誰ですか今、『触手』 とか言ったのは!? 動きませんし、これで物を取ったりはしませんよ! (^^;
そりゃあ確かに、黒々としてたり長かったりしますけど。

さてこのマムシグサの仲間、花のような特徴的な茶色いものがありますが(緑色のものもありますけどね)、これは 『仏炎包』 と言います。 葉っぱが変化したものですね。 お釈迦様の背後にあるアレに見立ててるわけです。
マムシグサの仲間は、

食べたらホントにおシャカ

なものばっかりですが(汗;

今までの写真を見てきて、「なんだか似てるの見た事があるような…」 と思った方はいらっしゃいませんか?
多くの方は、実際に似たものを見た事があるのではないかと思います。
だって、
ミズバショウもサトイモ科

なんですから。 あと、コンニャクだってそうです。

こんな風に、言われてみると 「あ…。」 ってなる植物は意外と多いと思います。
普段目にする園芸植物や野菜なんかも、そういった目で見ると面白いかもしれませんよ?
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