桔梗朝顔仏の座

キキョウ

キキョウ

撮影地 :秋吉台(山口県)
撮影日 :2005年9月3日
『秋の七草』 をご存知でしょうか?
萩(はぎ) ・ 朝顔(あさがお) ・ 藤袴(ふじばかま) ・ 女郎花(おみなえし) ・ 葛(くず) ・ 撫子(なでしこ) ・ 尾花(おばな)の七つです。
春の七草に対してのものなのか、こちらの方が先なのかは知りませんが、知名度は春の七草よりも低いと思います。 わたしがその存在を知ったのは大学に入ってからですし、サークルの同学年の人たちの半分は、その存在を知りませんでした。

そんな話はともかく、この中に『朝顔』があります。
この『朝顔』は実はキキョウの事なのですが、正直言ってどうして『朝顔』なのか判りません。
同じような別名では、春の七草での『ホトケノザ』がありますが、こちらの場合は納得できます。 この場合 『ホトケノザ』はオニタビラコなのですが、この植物は葉がロゼット状に生えていて、確かに大仏の下にある『仏の座』に見立てられるからです。
でも、『朝顔』の方は・・・似ているのは、花の様子ぐらいのものです(それでも、似ているというにはちょっと抵抗がありますね(^^;)。 個人的には、素直にキキョウとすればいいと思うのですが。

この 『秋の七草』 と 『春の七草』 は、名前を列挙してみると、共通点は『七草』だけであることに気づくでしょう。

春の七草の方は、『七草粥』で知られるとおり、基本的に食べられます。その上、ダイコンとかカブまで入っています。
対して秋の七草は、生け花にでも出来そうなものばかりです(実際にしそうですね)。
春の七草は生け花になんか出来そうにありませんし、秋の七草はあまり食べられそうな感じがしません。

イヌハギ

イヌハギ

撮影地 :秋吉台(山口県)
撮影日 :2005年9月3日

オミナエシ

オミナエシ

撮影地 :秋吉台(山口県)
撮影日 :2005年9月3日

クズ

クズ

撮影地 :秋吉台(山口県)
撮影日 :2005年9月3日
ここからはわたしの勝手な想像になるのですが、春の七草は庶民ベースで、秋の七草は貴族等の風流人ベースで広まっていったものではないでしょうか? 『七草』のコンセプトが根本的に違う気がします。
また、春の七草は全部がちゃんと『草』なのに対して、秋の七草の『ハギ』は、誰がどう考えても木です。
余談になりますが、このハギ、雪がつもったとき上に出ている部分は枯れ、雪の中に埋まっている部分は枯れないそうです。 それで、『春にハギの木の高さを見れば、雪の積もった深さが判る』と言われるそうですよ(教えて下さった青森のはなさん、感謝!)。

それにしても、最近は秋の七草全てを見ることはなかなか難しいです。
野生のフジバカマは護岸工事などのせいで絶滅危惧の状態にまで追い込まれ、オバナ(ススキ)もセイタカアワダチソウにどんどん駆逐されています。 100年後になってみたら、秋の七草の中にセイタカアワダチソウが入ってたら・・・なんか、やだなぁ。 そうならないことを祈るばかりです。

カワラナデシコ

カワラナデシコ

撮影地 :秋吉台(山口県)
撮影日 :2005年9月3日

ヒヨドリバナ

ヒヨドリバナ

撮影地 :秋吉台(山口県)
撮影日 :2005年9月3日

ススキ

ススキ

撮影地 :今富ダム(山口県)
撮影日 :2005年9月24日
 ※フジバカマは見つからなかったので、よく似ている 『ヒヨドリバナ』 で代用です^^;
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