オギ

イネ科ススキ属

撮影地:山口県西部(埴生のあたり)
撮影日:2005年9月24日
同定度:いくらなんでも間違ってないだろ…。


※手っ取り早くススキとの違いを知りたい方は、このページの一番最後を見てください。
ススキによく似た植物で、土手のような湿地に生えます
(湿地でも、砂利のような固い地面には生えることが出来ないらしいです)。

『オギ』 と書くとぴんと来ないかもしれませんが 『荻』 と書いたら 「あっ!」って思う方も多いと思います。

ススキによく似ており、花期も同じなので、ススキと勘違いしている方もいるかも。
…と思っていたのですが、どうやら、そういうケースは意外と少なそう。

何故かというと…そこそこ開発の進んだ所だと、とにかく生えてない、こいつら^^;

上記について説明すると、以下の要因でオギが生育できそうな場所が、すごく限られてくるからです。
  1. 刈り取りに弱く、同じ頻度で刈り取られると、必ずススキに負ける(ススキはオギが生えるような場所でも生育できますが、オギは乾燥地に生えることは希です)
  2. 生育地が根菜の栽培にぴったりなので、生えていた場所が畑にされちゃっている可能性が非常に高い
はっきり言って、1. も2. もかなり致命的です^^;
わたしは山口県西部(宇部・小野田近辺)をあちこち探し回ってみたのですが、一カ所しか生育地を見つけることができませんでした。

湿地に生えるので、護岸がされていなくて、土壌が比較的柔らかい河原等には生えていそうです。また、最近は放置された水田で見かけることも多いとの事です。

さて、ここからは、少し細かくオギの特徴を書いていくことにしましょう。

オギはススキよりも背が高く、2m以上になります。群生するので、遠目にはトウモロコシ畑のように見えるかもしれません。


 葉っぱは結構幅広で、やたらと長い竹の葉っぱのような感じです。厚さは意外とありません。 触った感じは、まさにでっかい竹の葉っぱです。


穂は、漂白でもされたように真っ白です。
白と言ってもどうやら透明のようで、そのせいで出たての穂は『茶色』の印象が強いですね。
開ききった穂は、まさに純白になります。


花期には、根っこの方の葉っぱは落っこちてしまいます。
まるで細い竹ですね。
かなり頑丈で、簡単には折れたりしません。

最後に、ススキとオギを見分ける際に、判りやすいと思われる相違点を書いてみます。

オギ ススキ


穂の部分を拡大してみると、生えている毛が非常に長いのが判ります。
穂の最小単位を 『小穂』(それぞれの小さな穂の事です) と言いますが、オギの小穂の毛は、小穂の2,3倍の長さになります。
また、オギの毛は非常にふっくらふわふわしています(ネコの毛のような手触りです)


対してススキの小穂の付け根に生えている毛は、小穂とほぼ同じ長さです。
また、○で囲んだ部分を見てください。 小穂の先端にトゲのようなもの(『ノギ』と言います)がありますね。
ススキにはノギがありますが、オギにはノギがありません。


オギの根元です。
花期の頃には根元の葉っぱが落ちてしまう事は書きましたが、それ以外にも、オギは『株立ち』(一つの株から複数の茎が出ること)しません。
そのため、まっすぐ規則正しく並んでいる感じがします。


ススキは、花期にも根元の葉っぱが落ちません。
また、株立ちするので、遠くから見ると \/ みたいな感じで生えている事が殆どです(程度の大小はありますが)。

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