なんだか、どこが 『フィールドに出る前に』 なんだかわかんなくなって来ましたが…今回は、『バクテリオファージ』 についてです。
『バクテリオファージ』 は細菌に感染するのですが、
● ビルレントファージ : 最終的には、宿主となる細菌を殺してしまう。
● テンペレートファージ : 一部の細菌以外は殺さず、細菌内に安定して存在する。
(宿主が分裂すると、一緒に増える)
の2種類がいます。
とりあえず、形状が特徴的ですし、高校の生物の教科書にも載ってるそうなので(※)、『T4ファージ』 の構造を例に出してみます。
※わたしは生物選択ではなかったので、聞いた話ですが^^;
さて、左は 『T4ファージ』 の簡略図です。
『頭部』の部分はともかくとして、なんだか変わった 『尾部』 なんてものがついています
(実際のところ、『尾部繊維』 だの 『カラー』だの 『基盤』だのの部分に分かれているのですが、ここではとりあえず、『頭部』 と 『尾部』 だけに分けておきます)。
全部のファージウィルスがこんな構造してるわけでもないです。ふっつ〜に、『裸のヌクレオカプシド』のタイプもいます。
『尾部』 は、
・長くて収縮する
・長くて柔軟に屈曲するが収縮はしない
・短くて収縮しない
の3タイプがあります。
この 『T4ファージ』 の感染・増殖方法ですが、基本的に他のウィルスと一緒です。
(ウィルスの感染・増殖方法の概略については、
『ウィルスのタイプと予防』を参照下さい)
ただ特徴的なのが、宿主細胞にウィルス核酸を送り込む時のプロセスで、
尾部を通して、宿主の中に核酸を送り込みます。
このプロセスを若干詳しく書くと、
@ 宿主細胞に吸着する
A 尾部の先端が細胞壁を溶かし、ぶち破る
B 尾部を通して、核酸が宿主細胞に注入される
てな感じになります。
こう書くと、なんだかとっても 『能動的』 な事をしてるみたいですが、実際は…。
「宿主細胞の方が」「核酸を吸い込んでしまう」そうです。
例によって、
「何かするのは、やっぱり宿主細胞」なわけです(ここは、今後は評価が変わってくるかも?)。
これを 『能動的』 と解釈するか 『受動的』 と解釈するかは人それぞれとして、少なくとも一つだけ断言出来る事は、
ウィルスは、宿主細胞の 『機能』 を、
非常に上手く 『利用』する
とは言え、個人的には 「能動的に何かしている」 とはとても思えないわけで… イメージとしては 「高機能機雷」 あたりですね、ウィルスって。
うん、「野外における感染症対策」には、全く役に立ちませんね!(汗;
なんだかいろんな意味で苦情が来そうな今回のお話ですが、これまた 「ウィルスに関するよもやま話」 という事で。
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