わたし:「あ、もしもし?(わたしの名前)ですけど」
先輩 :「明日、釣り行くぞ!」
わたし:「えっ!?でも、明日晴れるんですか!?今、雨降ってますよ?」
先輩 :「天気予報だと晴れるっていっとったで」
わたし:「晴れるんだったら行きますよ!!何時ぐらいに出発ですか?」
先輩 :「じゃあ、6時や!いや、早いな。7時に寮の前や」
わたし:「判りました。じゃあ、寝坊するといけないんで、わたしは起きときますね」
先輩 :「いい天気やなぁ。絶好の釣り日よりや」
わたし:「そうですね!今日こそは釣るぞぉ!(※海でルアー始めてから二回ほど行ったが、いずれもボウズ)
先輩 :「今日は、何の魚買って帰るかな。ネタないか?」
わたし:「・・・とりあえず、おっきいの釣って帰る事考えましょうよ」
わたし:「近くに釣るところ、あるんですか?」
先輩 :「この公園突っ切った所が海岸や」
わたし:「あの・・・釣りしていいところなんですか?」
先輩:「大丈夫やな。釣り禁止とは書いてない」
まぁ、だったら大丈夫だろうけど・・・それにしても、風が強い! 海岸近くということもあって、すごい風だ。先輩:「とりあえず、波かぶらんような場所から釣るか」
斜面に着けられた階段を下りながら、二人で良さそうな場所を探す。幸い、岩に囲まれた小さな入り江のようになっているような場所があり、そこだと波が穏やかそうだ。(うーん、とりあえず、カサゴ狙いでジグヘッドリグ作るか。ワームの色は・・・パールホワイトかな?)
仕掛けとしてはアホみたいに簡単なものなので、あっと言う間に完成。内容は、1/8オンスのラウンドタイプジグヘッドに、パールホワイトの1インチワームだ。仕掛けを作り終わると、良さそうなポイントを狙ってオーバーヘッドキャストぉ!・・・風に流されて、狙ったところの5mくらい風下に着水する。(オーバーヘッドじゃ、ダメか。サイドキャストで投げなおそ)
そのまんま、ルアーには特にアクションを着けずに引っ張ってくる。気を取り直して、今度はちゃんとサイドキャストで狙ったところに。いい感じの所に着水してくれる。十分に沈ませて、ボトムパンピングで底を探ってみたところ・・・。(んっ!?なんか今、突っついたな)
もう一回、同じ所を攻めてみることにする。さっきはちょっと早めに引いていたので、今度は充分ゆっくり・・・がつん!!(おっしゃぁ!来たぁ!)
すかさず合わせ、引っ張って・・・なんか魚がかかっているにしては軽すぎる。海藻でも引っかかったか?「悪い予感・・・やっぱりフグぅ!」
ド外道だ。多分最初に釣れるやつはこいつだと思ってはいたけど…まるまる太ってるなぁ、こいつ。先輩:「お!こいつ、ルアーくっとるんか!!」
先輩に写真を撮ってもらい、ルアーを外す。こいつ、完全にくわえ込んでやがるなぁ・・・げっ!ワーム完全にちょんぎってやがる!(やっぱり、パールホワイトだと外道来てまずいんかなぁ・・・ワームの色変えるか。確か、赤系統だとあんまし外道は食わないんだったよな)
と、ルアーを変えるが、今度は全くあたりなし。海藻とか多いから、カサゴとかメバルいそうなんだけど・・・ここ、本当にいるんだろうか?(いたとしても、メバルは絶望的だけど)
先輩 :「ここはダメや!場所変えよう!」
わたし:「うーん、そうですね。じゃあ、別の場所にしましょうか」
先輩:「ここなら、いかにも釣れそうやろ!」
確かに、釣れそうだ。しかし・・・。(ここって、めちゃくちゃ荒磯・・・どんな仕掛けで攻めればいいんだろ? 1/8オンスのジグヘッドだと、多分底に着かないし・・・それ以前に、こんな波の荒いところに根魚いるのかなぁ?)
仕掛けを考えながら、とりあえずかなり早い昼食を取る。 ふと近くの岩の上を見てみると、ばかでっかい針に金属ワイヤーという仕掛けが落ちていた。これって、もしかしてイシダイの仕掛け?周りをよく見てみると、サザエの殻が妙にたくさん落ちてるし・・・イシダイなんて賢い魚、ルアーじゃ絶対つれないぞ。(うーん、やっぱジグヘッドが軽すぎるなぁ。1/4オンスのにしてみるか)
他に有効な手だてを考えつかなかったため、ジグヘッドを一回り大きいものにしてみる。今度は底に届いたけど・・・げっ!引っかかった!(やっぱし、こんなところで底を攻めるのはダメだね。 って、だったら何処を攻めればいいんだろう?)
なにしろ、何が釣れるのか知らないので、何をやっていいかわからない。荒磯にはヒラスズキが着くっていうけど、確信も持てないのにミノー投げるのイヤだしなぁ。ミスキャストすると岩に引っかかって取れなくなりそうだし。バイブレーションなんかもっての他だし。(でもまぁ、いいか。他の場所とちがって、波は穏やかなんだし)
釣る場所が決まったので、また仕掛けを考える。
先輩 :「うわ、引っかかった!」
わたし:「どうしたんですか?あ、あれ」
先輩 :「しょうがない。置いといて、帰るとき取れるようだったら取ろう」
わたし:「そうですね・・・。」
わたし:「先輩、ばけつがぁ・・・。」
先輩 :「ん・・・・・・しゃあないわ。あきらめとったし」
(赤色のワームって外道はかからないっていうけど、それ以前にここには外道以外がいるのかな? 先輩も、さっきからフグとかベラばっかしだし)
どうせなら本命が釣りたいので、ワームの色を赤色にしていたのだけど、考え直して再びパールホワイトに変えてみる。と、やっぱし外道しかいなかったのか、ぼちぼちあたりがありだした。(でも、外道釣ってもしょうがないしなぁ)
思いつつも、まぁ釣れないよりはいいだろうと思ってしばらく粘ってみる。
先輩 :「今日は、ダメやな。帰るか?」
わたし:「そうですね。そもそも、何が釣れるのかも判ってなかったですし。引き上げましょうか」