夕暮れ山道何もない…。

<高尾山頂〜小仏城山>

「なんもないよぉ…。」
小仏城山への道に入って、15分ぐらいたったろうか。 道の周りは日当たりがいいため何かあると期待していたのだけど、期待はすっぱり裏切られた。ホントに何もない。
草の芽ぐらいは出ているもんだとばかり思っていたのだが、枯れ草の残骸以外なにもない。
「あっちゃぁ・・・今日は草本、完全に不発だったなぁ」
この時期まだダメだって事は、来年以降登るときに役立てよう。

この行程は、以前登った時と若干様子が変わっていた。新しい立て札が出来ていたり、 何かの工事をしている所があったり。 歩くにはちょうどいい道なのだけど、これだけ何もないと悲しくなってくる。 木にしても、植林の方が多くて杉ばっかりだし。
しばらくして、大垂水峠への分岐点まで来た。大垂水峠の方から下山することも、ちょっと考えてみる。 前に来たときは陣馬山へ行くことばっかり考えていたから、 大垂水峠の方へ行くことなんか考えてなかったし。
「ええと、なになに?大垂水峠付近は、杉、檜の人工林が見られます・・・パス!」
松林なんかの針葉樹林にはシュンランが生えるって言うけど、よしんばあったとしてもこの調子じゃ葉っぱだけとかだろうしなぁ。 それに、 今いる場所は木々の枝が空を覆っていないからまだそんなに暗くないけど、人工林の林道って昼でも薄暗いし。 知らない道に行ってまた迷ったら最悪だしなぁ。

そういうわけで、当初の予定通り城山の方に向かうことにする。 歩いていくうち、城山のパラボラが見えるところまで来た。あとちょっと!

それから城山までは、ホントにすぐに着いた。 そこら辺にたくさんある竹のベンチ(?)に腰掛け、タバコを一服。 辺りを見回してみる。 相模湖が見える って看板立ってるけど、もっと気の利いた言葉思いつかなかったのかなぁ。 ついでに言えば、薄暗いから全然相模湖なんか見えないし。
(※写真では明るいように見えるけど、これはカメラが露出を合わせたせいで、実際はかなり薄暗かった)

休憩がてらにちょっとその辺を歩いてみると、桜が咲いていた。 目をちょっと移せば、すぐそばには梅が咲いている。なんか変な気分。
「さてと、十分遊んだし、そろそろ降りよっかな。 あれ?下山口どこだろ?」
それらしき道が見あたらないので、近くにあった立て札を見てみる。
さーっ(←血の引く音)

「うそ!? 最短のルートで、所要時間1時間!?」
城山からは、てっきり15分ぐらいで下に降りられると思っていたのに。
ともかく、ここでこうしていても始まらないので、一番短いルートを降りることにする。 相模湖の方に抜ける道だ。 今日は単なる下見のつもりだったのに、 いつかやろうと思っていた相模湖ルートを降りる事になるとは・・・。
「暗い…ライト持って来ててよかった」
もう辺りはだいぶ暗くなっており、一番ものが見えにくい明るさになっている。
(あっちゃぁ。このぶんだと、帰り着くのは何時ぐらいになるかなぁ)
そんなことを考えながら、わたしは暗い山道へと入っていった。

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