春の山前哨戦!散歩がてらに高尾山にGO!

<高尾山口駅〜高尾山頂>

1998/3/29、午後3時
いい天気だ。わたしは軽い装備を調え、古淵駅のホームにいた。 なんでこんな時間なのかは、あえて言わないことにする。
本当は昨日、高尾山〜陣馬山を縦走する予定だったのだけど、諸般の事情により出来なくなったため、 今日散歩がてらに高尾山へ行くことにした。 この辺はまだ花の季節がよく判らないから、今後行くときのための下見という意味もある。
「さーって、散歩とはいえ、久しぶりの山だ!冬の間自粛してたぶん、日が暮れるまで思いっきりあるこっと!」
この時は、ホントに散歩のつもりだったんだけど…。


高尾山口駅に着いたのはそれから約一時間後、だいたい午後4時。 この時間になると、さすがに行きの人なんかいない。みんな帰りの人ばかりだ。まぁ、日曜の夕方だしなぁ。
人が多いのはあまり好きじゃないから、かえっていいかも。
そんな風に思いながら、山頂への道を歩いていく。
道の脇にはタチツボスミレなんかがちらほら生えてて、そこはかとなく春♪ いい感じだ。
今日の予定は自然歩道を経て山頂だから、時間的にもちょうどいい。 ちょうど日が暮れるくらいに下山できるだろう。
しかし…。
「…なんか、確実に草の様子が冬に近づいて行ってる」
だんだん悪い予感がしてきた。高尾山って、確か600m弱の標高だったと思うんだけど…でも、山頂付近にはブナが生えてるような所だし…。
自然研究路に入って、予感的中!
「な、なーんもない…」
今年は結構暖かかったからちょっと期待してたのに、単なる期待と思いこみだったみたいだ。
なにしろ、ホントに何もない。草本に関して言えば、初冬の山のような雰囲気だ。
「むむ、ちょっと早かったか」
少し残念ではあったけど、全然楽しめなかったというわけでもない。
木々がそろそろ芽を吹きはじめており、春の兆しを感じるにはちょうど良かったからだ。
とはいえ、わたしは木のことを殆ど全く知らない知らないわけで…。
「あ、 これ、花なのかな?ちっちゃくてかわいい!」
冬前に咲いたものの残りなのかな?いい感じ!」
「ええっと、 これは…アセビ、じゃないよなぁ…。」
芽を吹きはじめてる!きれい!」
「…なんだったっけ、 これ?」
つんつんしてる感じがなんかいいなぁ。でも、なんだこれ?」
始終こんな感じで、まともに判ったのは アオキの花 ぐらい。でも、こんな山の様子もなかなかいいもんだとおもう。 秋口には木々に囲まれて見えなかった吊り橋も、今は こんな感じ
そんなこんなで、高尾山山頂に到着!うーん、殆ど誰もいない。
「雰囲気としてはこういうのいいなぁ。 お月見とかによさそう! 今度お酒とおつまみ持って夕方から登ろうかな?」
季節を間違うと、多分風邪をひくと思う。
とまぁ、そんなことばっかり考えてる訳にもいかないので、案内板の方に向かった。 そこで、進むか戻るかしばし悩む。 陽はちょうど暮れかけなので、あと一時間ぐらいが限界だろうか? でも、このまま戻るのももったいないし・・・。
「小仏城山まで行って、そこから降りようか。それだとちょうど陽が暮れるぐらいだし、確かあそこからだったら、15分ぐらいで下に降りられた筈」
わたしは小仏城山まで歩くことに決めた。
時間的にちょうどいい筈だし、何しろ歩き足らなかった。高尾山頂〜小仏城山の様子を見ておきたかったということもある。
小仏城山へ行ったことのある方なら、この時点でのわたしの間違いに気付くだろう。
しかし、この時点のわたしは、自分がけっこうとんでもない間違いを犯している事に気づきもしなかった。
城山方面への階段を下り、しばらくして再び山道に入る。 目の前には、「これより奥高尾」の看板。夕暮れ時の赤っぽい光が辺りを満たしている。
「さーって、あと1時間、歩きますか!」
まだ、気分はお気楽だった
 フィールド日記にもどろう  次へ