山頂に向け出発!
ケーブルカーにのりゃいいのに…。

<高尾山口駅〜高尾山山頂>

わたしが住んでいる神奈川県相模原市大野台から高尾山までは、電車でだいたい1時間かかる。
高尾山の事を知らない人のために、場所の説明を…やっぱりやめた。何故って、わたし自身がいまいち位置を把握してないから。 まあ、JR八王子駅でJR高尾山駅の方面に乗り換えて、高尾山駅で京王線高尾山口駅の方向に乗り換えれば、終点だからまず間違うことはない(いいかげんな説明だなぁ)。

わたしが高尾山に着いたときには、時刻はもう1時。すでに不安な時間だ。
しかも、わたしは写真を撮りながら歩くから、平均速度はかなり遅い。 だいぶ不安である。
(ま、いっか。暗くなったら途中で下山すればいいし)
思いつつ、双眼鏡のケースをベルトに着けると、わたしは自然動物園への道を登り始めた。 自然動物園までの道は、舗装こそされているものの、道脇にはいろいろな花が咲いている。よく目につくのは、ハナミョウガ、ミズヒキ、キンミズヒキ、ゲンノショウコ(フウロの類のなにか?)、ヌスビトハギぐらいだろうか。 たまにヤマハッカを見かける。 休みの日だけあって人が多い。

途中、一回道を間違って(地図を逆さに見ていた・・・。)5分ぐらい時間をロスしつつも、自然動物園までたどりつく。ここまでの坂道は、結構勾配がきつい。しかし、人が多いのなんのって!鳥取の人気のない山を歩きなれたわたしは、こういうのにあまり慣れていない。なんか、観光地に来たみたい…ここってホントに観光地だね。
舗装された道と人の多さに辟易しつつも進んで行き、山頂への道は自然研究路4号路を選ぶ。この道は途中に吊り橋があるので、一回行ってみたかったからだ。それに、’自然研究路’とついているぐらいだから、いくらなんでも舗装はされてないだろうという読みもある。
とはいうものの…。
「どれが自然研究路4号なんだ?」
案内板を見ながら、わたしは首を傾げていた。 左手に2本の道、右手にも2本の道。 左手の2本は明らかに違うことがわかるけど、右手の2本のうちどっちがそうなんだろう? 案内板には1本の道しか書いてないんだけど。
考えても判るはずがなかったので、近くで同じように案内板を見ていた人に訊いてみる。 が、ハズレ。 その人もわたしと同じ事で悩んでいたらしい。
仕方がないので、道から出て来た人をひっつかまえて訊いてみる。正しい道が判った。そういえば、片方の道、さっきからだーれも出てこなかったっけ。
自然研究路4号路は、山道気分に浸るには最適の所だと思う。なにしろ歩きやすいし、森の中を通っているのでいろいろと目に留まるものがある。入ってすぐに モミジハグマ が群生していて、もやっとした感じの白い花がきれい。良さそうなものを選んで写真に納める。
写真を撮っていると、後ろの方から 「ねー、あれ何してるの?」 「花の写真を撮ってるんだろう」 というやりとりが聞こえてきた。小さい子の目には、花の写真を撮っている姿が珍しく映ったらしい。

モミジハグマの群生をいくつか通り過ぎると、道沿いの斜面を少し降りたところに立派なヤマホトトギスが咲いていた。ちょうどいいと思って斜面を降りていくと、まだ新しい足跡が目に付く。 うーん、同じ事を考えた人がいたようだ。
そこに三脚を立てて写真を取り終わった時、上の道を行く人がみんなこっちを見ながら通り過ぎていく事に気付く。 そんなところに登っていくのもなんだったので、人が切れるタイミングを見計らって道に戻った。なんだかはずかしいなぁ。

道に戻ってしばらくすると、今度は シモバシラ が見事な群落を作っていた。シモバシラの名の由来は、「冬になると枯れた茎に霜柱のような氷が出来る」 からだそうだが、花もかなり霜柱のイメージが強い。それがそこかしこに咲いている。写真に撮ろうかとも思ったが、いい位置にあるのがないのでやめておいた。これだけあるんだから、これから先ちょうどいい位置にあるのがあるだろうし。

それらを見ながら進んでいくと、目当ての 吊り橋にたどり着いく。 高尾山で唯一の吊り橋らしい。とはいっても、かなり頑丈そうな見た目だから、ぱっと見では吊り橋と気付かないかもしれない。下の方に沢があるんだろうけど、木々が谷を覆っていてあんまり見えないし。 なんか、「ぬっと出てきた吊り橋」って言葉がぴったりだ。それに、ゆれないな、これ…あ。ちょっとゆれた。
吊り橋を通り過ぎると、薄暗い森の中に入る。さっきまでの道より少し森が深いみたい。たまに休憩用の丸木いすとか用意してあって、木とか動物とかの説明が書いてある看板があったりする。うーん、自然研究路!

しばらくすると人のざわめきが聞こえるようになってきて、急に視界が開ける。高尾山の山頂だ。
しかし、ここって茶屋とかビジターセンターとかあって、山頂ってイメージあんましないなぁ・・・。
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