出発は13時 この時点で無謀だよ

またやった・・・それ以外に言葉がない。
前回の奥高尾縦走であれほど痛い目に遭っておきながら、10/11、起床時間はPM12時。 原因は、またもや前日の夜更かしだ。

そんなことはどうでもいいとして…。

「相模原市にお住まいの、****さんが3日前から行方不明になっています。見かけた方は、警察までご連絡下さい」
古淵の駅前に、そんな放送が流れている。時間はそろそろ13時。もう秋のまっただ中の筈なのに、日差しはまるで夏だ。
(行方不明、って言ったって、名前だけで本人って判る訳ないだろう)
そう思いながら、わたしは改札を抜けた。 今日の目的地は大地峠。歩行時間にして4時間の行程だ。 そこまで行くのに電車でおよそ1時間かかるから、歩き始めるのは14時ごろになるだろうか。今日は天気もいいし、歩くには最適だろう。
前回の轍を踏まないように、今日はペットボトルを二本用意している。 また、一応非常用としてカロリーメイトを一箱用意した。 迷っても、一日ぐらいはしのげるはずだ。

出発の時間については、充分二の轍を踏んでいるのだけど。

電車に揺られること小一時間。大地峠の最寄りの駅、四方津(しおつ)駅に到着。この辺りはもう本当に山奥だ。 人通りも少なく、田舎としか言いようがない(まぁ、この雰囲気が好きなんだけど)。
駅の近くの道を行き、梁川に架かる橋を渡る。 梁川は大きな谷川で、ヤマメでも釣れそうだ。
橋を渡り終え、川合の集落に入る。道脇に色々な花が咲いていた。 トキワハゼアキチョウジゲンノショウコ。 あと、 名前の判らない植物 が一つ。 用水路にはミゾソバのお花畑。この辺りを回っただけでも、色々と見れそうだ。 思わず写真を撮りながら歩くが…。
(はっ! 奥高尾を縦走したとき写真を撮ってて時間をロスしまくったから、一つの被写体につき一枚しか写真撮らないって事にしてたんだった!)
思わず時計を見る。14:30。1km足らずの道のりを30分もかけてしまっている。
(危ない危ない)
思い、山に入るまでは見るだけに留める事にする。

道脇の花に目を留めながら歩いていくと、斜面に生えている濃い紫色の花が目に付いた。
(あれ!?)
まさかと思って足を止めてみると…。
(ありゃ、狂ってるなぁ)
そこにはタチツボスミレが咲いていた。一株だけ。まるで、今が自分の季節だと言わんばかりに堂々と咲いている。 なんだかおかしい。
それからちょっと歩くと、妙にふわふわとした飛び方の白い蝶が視界を横切った。ウスバシロチョウ、かな?
谷川や山田の近くに繁殖する蝶で、モンシロチョウより二まわりぐらい大きいぐらいだろうか?原始的な蝶らしく、 鱗粉が他の蝶に比べてかなり薄い。そのせいで羽が透けているように見える蝶だ。でも、この蝶ってこんな季節までいたっけ? さっきのタチツボスミレといい、季節がまるっきり狂ってる、ここって? (わたしはウスバシロチョウの事は殆ど知らないので、もしかすると夏型が残ってたのかも知れない)

どう見てもただの石にしか見えない川合の道祖神を写真に撮って、てくてくと先に進む。
間もなく家がなくなってきて、大地峠へと向かう山道に到着! しかしこの道、なんだか裏山に入っていく道かなんかみたいだ。 ま、それはそれでいいんだけど。大地峠に行けるんなら、それでいいんだし。

この時点で14:47。
大丈夫なのかな、こんな調子で・・・。

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